〜出会い編4〜


 当たり障りのない簡単な雑談が、いったいどれくらい続いただろう。 まわりの騒ぎがうるさくなって静かになって。だが、そんなに長い時 間ではなかった。……………何時間でも、続いてもいいように思った。


「ああ!! いたいた!」
 聞き覚えのある声に、しばし話を中断させられる。―――――不愉 快だ。少し驚いた女も、声のするほうに視線を向けた。
「おや。」
 先ほど、情報を売った男がやってきた。
「お楽しみ中?」
「なんのようだ。」
 たいした情報も得られなかったのに、こんなのと知り合いだとすら 思われたくなかった。自然と声が低くなる。―――――なぜだか。
「いやなにそんな怒るなよ。北へ向かうんだろう? 次の町はノットか ツキシア。街道を行けばノット。森の先の山を越えればツキシアさ。 ま、どっちに向かうかは好きにするんだな。」
「そうか。」
 わざわざ知らせに来たのだろうか?

「おい姉ちゃんこんな無愛想なのと飲んでないで俺たちのところに来 ないか?」

 目的はそれか。ふと見れば、旅人の多い酒場とあってか、女性は少 ないようだった。

「いやよ。」
 以外にあっさりはっきりと、出てきた言葉に驚いた。
「そんなつれないね〜〜〜〜」
 もう聞いていない。興味を失ったかのように女はまた食べ始めた。 黙々と。

「……………おいっ!!!」
 近づいてきた男がダンッと机を叩くと、年代物の机の脚が折れた。

バキィガダーンガシャン

 机の崩壊に巻き込まれ、叩いた本人が床に沈んだ。

「…………………」
「……」
 笑顔で、女は酔っ払って近づいて絡んできた男を、容赦なく店の外 に投げ飛ばした。

ドゴーーン!!!

「何事だ!!!」
 音に驚いた町の警吏が、走りよって来る。

「この人が絡んできて…………っ……」
 いかにも被害者ずらして目に涙を浮かべれば、警吏は酔っ払いの男 をすぐさま取り押さた。

「本当ですか?」
 店の主人に女性に質問を始める警吏
「ええ。まぁ……そうですわ。私にはどうすることもできなくて……っ……」
 店の女性も簡単に嘘を混ぜて責任を伸びた男に押し付ける。

 (((確信犯だ)))

 何問か聞いた警吏は、すぐに男を連行していった。

「「「「「……………………」」」」」
 目の前で見ていただけに、店の中にいた人々は何もいえない。



「はい。」
 女は女性に、金の入っているだろう袋を渡す。驚くなかれそれならば、 次の言葉を聴いてから。

「だって弁償して当然でしょ?」

…………さて、誰の財布だろうか?

――――――いつの間に掏(す)ってきたのか。外で死んでる男から。 まぁ。まだ死んでないだろうが。

 そして、女と女性は目が合って、満面の笑みで微笑んだ。

(((((((こえぇ!!!!)))))))
 女と女性は。

 そのまま、女は階段を上がっていた。


………………支払いは、女から渡された男の財布から出された。よかった のかと聞くと、なに遠慮してるの!! と背中を叩かれた。


 部屋に入れば、女はすでに寝ていた。

Back   Menu   Next