落葉と実りの季節



細い木
高い木

どちらも同じ木

目の前に

“まだある”程度に葉のある木

立派とはいえない

まだ若い

ただ――――



「何を見ている」

後ろから聞こえた声に、ふりかえるわけもなく言う

「あれ」

高く空を目指す細い枝のうち―――

右側が、地に向かってまがる

黄色い実がぶらさがる

一個だけ

はたしてすべて落ちたのか収穫されたのか

それとも、はじめから一個しかならなかったのか

今は、落葉と実りの季節


「おいしそうよね」

実のなる場所は高く、リールの背では届かない

かといって、レランの背でも倍はある

はぁ

後ろから聞こえるため息

「採ればいいのだろう」

あきらめ声がする

自分の剣に手をかけたレランを制す

「いらない」

「――――――!!!?」

以外だった

「……あんたなんか言いたいの?」

ふりかえった

「………………」

目の前の相手の腕に収められたキノコの数々

しかし、

(………………生?)

「焼く」

「あっそ……」

「煮たほうがうまい」

(…………)

それでも食べるのは、食べなくてもよくて口に入れば何でもいい主と、基本なんでもたべる女。

(……………)

「さて」

用のなくなった木に背を向けて、背中越しに言い放った

「お前は」

「…………」

ずっと木を見ていたので、なんの食べ物も見つけてない

――三人分――

レランの持つものだけでは足りない

「……………」
「……………五分」

今から探しに行けと

「五分!!?? いやムリだし!!!」
「あと四分四十五秒」
「っておい!!」


結局、もう一度森の奥深くに入ることになるのがおちさ




〜あとがき〜
めずらしく、レランの勝ち。でも、リールとカイルとレランの三人が山(森)に入ったらこうなるだろう。

リール→食べたいから食べ物調達
カイル→食べなくてもいいから何もしない
レラン→主に食べさせるために食べ物探し

ってな感じ。そしてカイルは火をおこしてずっと本読んでるのさ。旅してるはずなのになんで本持ってるんだろ。
ちゃんとリールを気遣う(?)レラン。主うるさいし。




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