掃除



 獣と共に森から出てきた王子は、前と同じ無表情で。

 ふと、残念に思った。

 かと言って、あの小娘がいるのも気に食わん。



 無言で馬を走らせて、城へ。



 部屋で王子は言った。

「片付けとけ」

 部屋を出る王子を見送って、部屋を出た。




「おい」

 日向ぼっこしているセイジュに言う。

「あ!? なんだ?」

 けだるそうに振り返った。


「王子の命令がある。」


「は? 帰ってきたのか?めずらしい。」
 あのまま一緒に行ってしまうのを期待しつつ………命令?

「って!! 剣に手をかけるなっ!!!」

 あせって言われた。いらつきが、レランの顔と行動に出たの
だろう。


 セイジュは腰をあげた。




「で、なんだよ」

「来ればわかる」


 王子の部屋の前へ――――


「もう入っていいのか?」

 レランは勝手に扉を開けた。

「うわぁ…………」

 セイジュは呆然と部屋の前で立ち止まった。


「おい」

「うわぁ!!!」

「邪魔だよ」

 突然後ろに立った王子は部屋に入る。あとから入っていった。


 本の山を越えていった王子は、ソファに座り背を向けて本を
読んでいる。

「………………」

 無言で本を広い積み上げるレラン。

 黙々黙々もくもくと本を拾いながら近づいてくる。

 腕の中に本を何冊か積み上げながら、目の前にやってきた。


「だだの雑用じゃねーか」

「…黙れ」

「………。」

 一蹴一蹴いっしゅうしたレランと、軽く反応した王子。





「よし!」

 いきなり立ち上がった王子は、持っていた本を投げ捨て無言で
部屋をあとにした。

「………………。」

 残されたのは、本を拾うレランと、自分………




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