03*引きこもりのお通りです*


 森の魔物たちは本当にいい子で、私の言うことを聞くのだけれど。それは特別濃いここの瘴気のおかげで彼らの知能レベルが特別高いだけだった。
 もちろん世の中、ギブアンドテイクよね。
 まぁ何が言いたいかと言うと、海水魚は、淡水では泳げないってこと。
 村の中に瘴気が広がったと言っても、それはあの山の一番濃い瘴気の半分にも満たないし、それより先の瘴気なんてもっと薄かったはず。
 って言うか外に出るなんて……何じゅ……なん……年ぶりかしらー?
 ちょっと浮かれていたのもあって。森を出たところに高い壁があるのにもおどろいたわね。
 そんな感じで思考回路が付いて行っていない時に、私を乗せて地をかけていた魔物が急に止まった。
 考えても見てよ? 前に進んでいたものが急に止まるのよ? 減速しないで。
 私ってば宙を舞ったわ。羽もないのに。勢いよく。それはもう勢いよく地面に投げ出されましたけど。
 振り返ると、魔物はなんだか苦しそう。あれね。高い山に登ると空気が薄くなってくるあれね。まぁ確かに、村よりはあるけど森ほどは濃くないわね。ここの瘴気。
 ああああー帰るの? 帰っちゃうの? しょうがないかー
 去る者は追わず。
 さて、あの壁なんだろう。前はなかったよね。うん。なかった。そうね何じゅ、……年、
 前までは。あんなのいつ建てたのかしら? ここの住民にそんな能力もお金もないと思うけど。
 あそこは居心地よかったし。今までで一番滞在したわよね〜うんうん。
 そう言えば家に研究しかけのもろもろ全部置いてきちゃったわね。うーん。こうなると燃してきたほうがいいかしら? うーん。ま、あそこは瘴気溜まりだし。基本的に人は生きていけないから平気かな。
 あーでもあそこの瘴気、濃くて、研究にはぴったりだったのに。誰よ魔女狩りとか。ふざけんなっての。
 中和の泉とか、失敗作で増えすぎた薬草とか勝手に使ってたの知ってるけど、あんなん失敗作ほっといたら増えただけだからほっといたのに。
 あー思い出してむかつくわー
 ま、いいや。とりま。……ん?

 誰か出てきた。

2017.03.13

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