08*騎士団は有能なんです?*


 結局、怪しい女は口を割らなかった。また、死なれたら困るでしょと、証言者がいなくなることをほのめかされて食事は強奪された。
「あの女、何者でしょうか?」
「わかったら苦労はしない」
「村長に聞いてみるのはいかがでしょう?」
 盲点だった。


「――女?」
「ええ、色は黒で、肩くらいの長さの髪と、赤黒い瞳の持ち主です」
「……知らん」
「ですが彼女は、魔物の一件は村長に聞けと言ってます」
「わしらは、知らん!!!」

「「あれはよそ者」だ! だそうだ」
「団長。振り出しに返りますよ。詰まるところ、彼女はよそ者を寄せ付けないパラスの村の唯一のよそ者。でしょうか? 迫害の対象になりそうですね」
「おそらくあの火刑台だろう」
「火あぶりの対象じゃぁ。逃げるところですよね? 考えようによっては死にそうなところ助かったのに、牢屋に入れては怒るのも通りでは?」
「言いたいことはわかる。しかし」
 あの女は、どこか信用できない。
「団長の趣味じゃないことはわかりますけど。冤罪も面倒ですよ?」
「とにかく、参考人を逃がすことはできない」
「牢に入れたままですか?」
「出なければ逃げ出すだろう」
 副団長は首を傾げた。そう、女一人なぜそこまでと言っている。わかっている。だが、あの女は怪しい。

 ――実際のところ、その考えは当たってはいたのだ。ただ、牢屋に入れたことは、許してもらえず、――ひどい目にあった。

2017.04.02

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