17*騎士団員達の後悔*


 パラスの村に魔物が現れたことを話すと、太王太后様は卒倒しそうな勢いで、この世はもう終わりだとか言い出した。数時間前なら、大げさなと眉をひそめたのだが……
「あの、おばあ様。本当なのですか?」
「アレニウス!!」
 陛下が一言発するたびに太王太后様の持つ扇子に引っぱたかれていた。
「ですが……」
 太王太后様のため息が深い……
「瘴気を浄化できるのは世界でピュリファの魔女ただ一人。かの方はその力と引き換えに永遠を約束されている」
 本当だったんだな……陛下も同じことを思ったように思うが、幸い口にはしなかった。
「魔女様が長く住み、浄化に成功した場所は瘴気の中和も安定し、その後長く人の住める場所となる。パラスも次代の王都候補になろうと言う場所だったのに……守護を消してしまわれたのだろう……どれだけ、どれだけ貴重な場所であるか、それをお前は!!」
「ちょ、ちょっと待って下さい。砦のことは謝りますが、本当に火あぶりの件は知りません!!」
「あれほど歴史で! 魔女様を追った王達の愚行を教えてきたと言うのに!!」
「……そんなこともありましたが……」
「とにかく、もうパラスは諦めるしかない……次はどちらに行くおつもりだろうか」
 できることなら神殿に……小さく呟いて、太王太后様は首をふった。そんなこと嘘でも、望んではならないと言うように。
「……エーリク」
 急に話をふられ、戸惑いながらも返事を返した。
「まさかあの方に、無礼は働いてないだろうな?」
 手遅れだ……包み隠さず話した。それを聞いた太王太后様のご乱心は――

「何その顔?」
「いえ……」
 次の日、どこか凜とした姿で歩く魔女に、出合い頭そう問いかけられた。――自分の顔は鏡で見たが、残念なほど赤くはれ、青くなっていた。
「お目汚しを……」
 まさか、太王太后様にあんなに殴られるとは、思わなかった。しかし、最後の言葉が耳に痛い。
「魔女様からお許しが頂けるかどうかは、別問題なのですからね!!」
 ……死刑か……

2017.05.06

Back  Top  Next