「おはようございます。いい天気です」
 え? もう朝だぞ、大丈夫なのかって? なんのことでしょう?
 これからセネカ様のお部屋に向かいま〜す!!



エルモアの部屋



「おはようございますセネカ様!」
「帰れ」
「ひっひどいセネカ様、出会いがしらになんですか!!」
「遅い」
 とうの昔に、支度を終え、ついでに言うなら朝食も終わった。朝からクラウドはなんか不機嫌だったわ。最近、こっちに来ないからそのせいかしら?
「だって! 聞いてくださいセネカ様!!」
「(嫌だけど、)…………何?」

「道が消えてたんです!!」

「月に帰れ」

「なんでぇーー!!」
「道が消えるわけないでしょう!!」
「本当です!! 消えたんです!」
「んなことない!」
「あります!! セネカ様! 私と道とどっちを信用するんですか!!」
「(道)………悩むわね」
「なぁ〜んでぇ〜〜!!」
「それに、消えていたならなんだって今ここに来ているのよ」
「あ、おいしいクッキーが道案内をしてくれたんです!」
「へぇ、そう。で、そのクッキーは?」
「? 食べましたぁ! おいしかったです!」
「私の分は?」
「ほへは? セネカ様、朝ごはん食べたんじゃないんですか?」
 私は、食べ損ねました。
 それは、あんたが迷っていたせいでしょ。
「それなのにまだ足りないんですかぁ? くいしんぼうでっ」
 丁度よかった、エリスったら私の短刀まで運んでくれて。最近訓練してなかったから的に当たるか練習もしたいし。……ギーリック、どうしてくれるのかしら?
「せっセネカ様?」
「何?」
「頭、かすめました」
「縮め」
 背。
「無理ですぅっ!!」
「じゃぁ、的になれ」
「嫌ですぅっ!!」
「わがままね」
「セネカ様のひとでなしーー!!」
「何? 掃除でもしたいの?」
「はい! 部屋の掃除をしないといけないんです!」

“人手”なし。

「………部屋?」
「それが、散らかるんですよねーー自分から」
「それはない」
「そうですかぁー?」
「ない」
「むう。」
「まぁ、いいわ。行くわよ」
「どこにですかぁー?」
「あんたの部屋。見に行きたいわ」
「はーい! こっちです!!」




 やってきたのはいいものの……

「エルモア? ここに来て半年もたってないけど?」
「そうでしたねーー」
「何、ここ……腐界(ふかい)?」
 腐った世界。あふれ出るもの達。
「それがーーナイレイルに行くって言ったら、嬉々として両親が送ってきたんです!!」
 粗大ゴミ処理?
「……不快」
「面白いですセネカ様ーー!!! ――なんで殴るんですかぁ!?」
 しかもぐー、痛いです。
「気分」
 またなぐるぅ……
「痛いんですよーーー心が病むんですよぉーー」
「あんたは平気」
「それ誰の基準ですかー」
「私」
「うっぅう、歪んで……」
 セネカ様の足って、長いですよねぇーー……

「とにかく、掃除よ」

「へ? するんですかぁ?」

 だからどうして短剣を私の頭に向かって投げつけるんですかぁ!!





「セネカはいないのか?」
「陛下。それがなんでも、エルモアさんの自室に向かったとか」
「………」
 直感が告げる、“関わるな”と。
「お呼びしましょうか?」
「いや、今夜部屋に行くと伝えておいてくれ」
 ほほを染めたような侍女が走り去るので、首をかしげた。振り返ればセズがあきれ返っている。
「何をまぬけな顔をしている」
「いや、……誰かーー塩もってねーかー?」
「厨房に用事か?」
「………お前、ホンキでボケてるのか?」
 そうだと信じ込ませてくれ。




「ちょっと! 何よこれ!!」
「ふぇ? ぐぇ!!! ふっ踏まないで下さい」
「あらごめん、丁度通り道だし」
 ピンヒールは痛い。しかし、いつの間に履きこなすようになったのか?
「これはぁーー……? なんでしょう?」
 さび付いた丸い缶。ぼろぼろで、パッケージがわからない。かわいさだけ取れば、たぶん、お菓子とかその辺。
「うーーんと、うーーんと」
 しかし、明きからに年代物。
「あ!! わかりました!!」
「何よ」
「四の月に捕まえた虫です!」
がっしゃん!
 缶はその命を落とした。―――もとい空を飛んだ。……修正。缶は飛べません。セネカによって窓の外に投げつけられました。窓を破(やぶ)って。
「………実はセネカ様ってーー」
 虫きらっ!
「ふげひゃ!!」
 ちなみに、エルモアの部屋は一階です。
「ゴミは、捨てるべきよね?」
 満面の笑みでセネカはすべてを袋に詰め込んだ。ついでにエルモアも。




「―――あ、いた」
「なんだ? どうした」

 反応はやーーー!!!
 角の端から声がしたと思えば、体の向きが変わっている上にすでに王妃の近くにいるクラウド。おいおいおい……

「ちょっと手伝って」
 そう言っていきなり腕を引く。
「何を?」
 そう言いながらも、クラウドは引きずられるままだ。
 なんだよ、嬉しそうにしておきながら!! ってなんか乗り気じゃないのか?
「簡単よ、ゴミ袋が騒がしいの」
「「は?」」




「んんんーーー!! んんんん!!」
 ※注 誰かーーー!! 助けてぇ!!
「「………」」
 くぐもった声が聞こえる。ずた袋の中から。聞いた事のある声。
「セネカ?」
「何よ」
「これも捨てるのか?」
「どうせなら、川とか」
「「おいおい」」
「じゃ、あれは保留。こっち運んでよ」
 そう言って、壁際に並んでいる袋の一つを持ち上げるセネカ。軽々と。
「捨てていのか?」
「こっちわね」
 ――怒っているなぁ。
「……」
 無言でセネカから袋を奪って? 運び出すクラウド。おいおいおい、待てよおい。国王自ら運ぶなよ!!
「おいっ! クラっ」
「あんたこっち」
 あっさりと押し付ける王妃。えーー?


「ふぅ、これで最後ね」
「「……」」
 曰く、“騒がしいゴミ袋”。

「助かったわ」
「それは――よかった」
 のか?
「王妃様!」
 さっきクラウドとの話を聞いて赤くなった侍女が、やって来る。
「何?」
 国王に会釈して、セネカに向き直った侍女。
「仕立屋が参りましたので採寸を」
「今行くわ。じゃぁ、また」
「ああ」
 そう言って、王妃は去った。

 そしてさっそく、袋を開けた。
「あっ王様ーー」
「相変わらずだな」
「何がですかー?」
「……」
「知らぬは幸福か?」
 なんだ、その格言。
「そうだ! いいことおしえて差し上げましょうか?」
「いや、」
「セネカ様の弱点です!」

 ―――そんなものあるのか?



『セネカ様って、きっと“無視”は苦手なんですっ』


 ……絶対に、違うと思うぞ。



あいかわらずまとまりがない・・
ここに期待するだけ無駄か・・




2007.02.02