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お嬢様で遊び隊


「ふんふーーん。ふふふーーん」
「あら〜お嬢様ー何かいいことがありましたか〜?」
「変な三人組を撒いて、足に縋り付いてた何かをげしげしと容赦なく踏み潰してストレス発散は完璧よ」
「大事なことですね〜」
「魔王が私を帰してくれない問題は解決してないけどね!!!」
「あ、お嬢様の要望で壁紙は変えておきましたわ〜真っ黒に」
「あのさ。怒っていい?」
「あら〜蜘蛛は嫌だって叫ばれましたので。柄ものもおきに召さないようなので、無地に」
「で一色かーーーー!!!」
「そんなに喜ばなくても」
「呆れてるんだーーー!!!」
「まぁまぁお嬢様。諦めが肝心ですわ」
「無駄に綺麗にまとめるなーーー!!」
「何を騒いでいる」
「出たよ神出鬼没」
「褒め言葉か?」
「褒めてないわーーー!!!!」
「魔王様。確か今日は「今日こそお嬢様で遊ぶのではなく仕事をしていただける」、とのお話でわたくしが思う存分お嬢様「で」遊ぶ……もといお仕えできるはずでは?」
「聞こえてるわーーー!!!」
「知らん」
「約束は守れーーーー!!!!」
「誰もそうするとは言ってない」
「ふざけんなーーー!!!」
「まぁお嬢様。ではわたくしとあそ」
「ばない」
「では何をする気だ? 行っておくが外は豪雨で出かけられないぞ」
「私は帰るんだぁぁぁぁああああ」
 しばらく何かを考えていた魔王様&メイド。息を揃えて一言。
「部屋にか」
「お部屋ですか?」
「ちっっっがーーーう!!!」
「まぁせっかく模様替えも完璧ですのに。ちゃんとお嬢様専用のお菓子カゴ(鍵付き)にはガムがたっぷり」
「なんでガム」
「あのガムは虫歯になりにくいそうですわ」
「どこの子供だーーー!!」
「まぁお嬢様。何も子供扱いなんて…………してませんわ。ええ」
「今の間はなんだーーーー!!!」
「それがホリポップと迷ったのですが」
「完全に子供だーーー!!!」
「お嬢様が娘……娘……。いい響きですーわー」
「帰ってこーいっていうかチョコレートほしい」
「ガムがなくなったら」
「おちょくっとんのかーーー!!!」
「ああ、煎餅なら入れといたぞ」
「ぬれせんもびっくりの真っ黒っぷりよね」
「うまいだろう」
「おいしいけど……おいしいけど!!! 違う!!」
「煎餅は一味だ」
「好みは聞いてないから」
「ざらめなど認めない」
「黒いからどっちでも一緒じゃん。っていうかざらめおいしーじゃん……なによその信じられないものを発見しました的なドン引きの目は」
「先日魔王様の権限でざらめ煎餅を一斉廃止したばかりです〜わー」
「復活しろーーーーー!!!!」
「あんなもの有害……」
「ざらめ煎餅がいい」
「第一煎餅が甘いなど言語道断……」
「ああ!? 人の好みにケチつけんのか!!!」
「なんと……」
「よろりと崩れ落ちた魔王様。ぁあ驚愕に見開かれつつ許容範囲内を必死で探すその憂いを帯びた眼差し……ええ。次回のコマーシャルのキャッチコピーはこちらですわ〜」
「なんのCMだーーーー!!!」
「ええ? お嬢様〜それが〜クリスマスに作った魔王様ファンクラブ向けポスターは好評でしたの〜」
「この策士がーーー!!!」
「あ、次は「お嬢様で遊び隊」を発足予定なのですがいかがでしょう? もちろんナンバーいちはわたくし……」
「わかった。魔界財務内で予算を組んでおく」
「ふざけんなぁぁぁぁあーーーー」
 ラーラ必殺ハリセンが踊る。しかし効果はないようだ。
「なんだ。ああラーラ予算の出所が気になるのか心配するな。クリスマスの売り上げが余っている」
「魔王様にナンバーゼロを捧げますわぁ。永久に」
「そもそも発足するなぁ!!!」
「まぁお嬢様。わたくし気がついたんです!」
 これまでになく熱い侍女の勢いに冷汗を流すラーラ。やな予感〜
「お嬢様の魅力が魔界中に知れ渡れば、わたくしを邪魔する輩はいなくなりますわっ」
「語尾にハートマークをつけるなぁぁぁああーーー!!!!」
 え? と小首を傾げる侍女。そこはかわいい。ぇえそこだけは。


「あー次の予算会議だが〜」
「あ、それなんか全部魔王様が使うみたいですよ」
「そうか」
「そうなんです」
「じゃ。決まりだな」
 書類に異議なしとサインをする三人衆。かくして、「お嬢様で遊び隊」が発足した?


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